ピルの種類を一覧で徹底比較|低用量ピル全14種の世代・成分・特徴・選び方【2026年最新】

「低用量ピルを始めたいけど、種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない」「マーベロンとトリキュラーって何が違うの?」そんな疑問を抱えている方は多いはずです。

結論から言えば、低用量ピルの種類は「黄体ホルモンの世代」と「ホルモン配合パターン(相性)」の組み合わせで決まります。この記事では、国内で処方されている低用量ピル・超低用量ピル全14種を1つのテーブルにまとめ、世代ごとの特徴、1相性/3相性の違い、目的別の選び方まで体系的に解説します。

まず押さえたい3つの結論

1. 低用量ピルは全部で何種類?

国内承認の低用量ピル・超低用量ピルは約14種類。黄体ホルモンの開発順に「第1〜第4世代」、ホルモン配合パターンで「1相性/3相性」に分かれます。2024年にはエステトロール含有の新薬「アリッサ」も登場しています。

2. 結局どれを選べばいい?

→ ニキビ・肌荒れが気になる → 第3世代(マーベロン等)or 第4世代(ヤーズ等)

→ 生理痛・経血量を減らしたい → 第1世代(ルナベル等)or 第4世代(ヤーズ等)

→ 不正出血をできるだけ避けたい → 第2世代(トリキュラー等)

→ 保険適用で治療したい → LEP製剤(ルナベル・ヤーズ・ジェミーナ・アリッサ等)

3. 低用量ピルとアフターピルは別物?

はい。低用量ピルは毎日飲む「日常的な避妊・治療薬」。アフターピルは性行為後に緊急で飲む「最後の手段」です。この記事では低用量ピル・超低用量ピルの種類を解説します。

参考:日本産科婦人科学会/日本女性医学学会「OC・LEPガイドライン 2020年度版

この記事は低用量ピルの種類解説です。「避妊に失敗した」「今すぐアフターピルが必要」という方は、以下からご相談ください。

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この記事でわかること

ピルの種類は大きく5つ…まず全体像をつかもう

「ピル」とひと口に言っても、含まれるホルモンの種類や量によっていくつかのカテゴリに分かれます。まず全体像を把握しておきましょう。

分類EE含有量の目安主な目的処方区分代表的な薬
超低用量ピル20μg以下月経困難症・子宮内膜症の治療LEP(保険適用あり)ルナベルULD、ヤーズ、ヤーズフレックス、ジェミーナ、アリッサ
低用量ピル30〜35μg避妊・月経トラブルの改善OC(自費)/LEP(保険)トリキュラー、マーベロン、ルナベルLD
中用量ピル50μg生理日移動・月経異常の治療保険適用ありプラノバール
ミニピル(POP)含有なし避妊(エストロゲン非含有)OC(自費)スリンダ
アフターピル含有なし緊急避妊自費(2026年2月〜薬局販売開始)ノルレボ、レボノルゲストレル錠

EE=エチニルエストラジオール(卵胞ホルモン)。アリッサはEEではなくエステトロール(E4)15mgを含有。スリンダはプロゲスチン(ドロスピレノン)のみ含有。

一般的に「ピル」と言えば低用量ピルを指すことがほとんどです。この記事では、超低用量ピルと低用量ピルをまとめて解説していきます。中用量ピルは主に生理日移動のために短期間使われるもので、日常的に服用するものではありません。

ミニピル(スリンダ)は低用量ピルとどう違う?

2025年5月に国内初のミニピルとして「スリンダ錠28」が厚生労働省に承認され、同年6月30日に発売されました。ミニピルは黄体ホルモン(プロゲスチン)だけで構成されており、エストロゲンを含みません。そのため、エストロゲンが原因となる血栓症のリスクが低く、喫煙者や40歳以上の方、高血圧のある方など、従来の低用量ピルが使えなかった方にも処方できる可能性があります。詳しくは「2026年最新の新薬」セクションで解説します。

アフターピルは「種類違い」ではなく「目的違い」

アフターピル(緊急避妊薬)は、低用量ピルとは目的がまったく異なります。低用量ピルが毎日1錠を継続して飲む「日常的な避妊・治療薬」であるのに対し、アフターピルは避妊に失敗した性行為の後に1回だけ服用する「緊急手段」です。アフターピルの種類・仕組み・入手方法について詳しくは「アフターピルとは?」をご覧ください。

読者の声:「低用量ピルと超低用量ピルって何が違うの?」

エストロゲン(EE)の含有量の違いです。低用量ピルはEEが30〜35μg、超低用量ピルは20μg以下。EEが少ないほど吐き気・頭痛などエストロゲン由来の副作用は起きにくくなりますが、不正出血がやや増える傾向があります。どちらが優れているという話ではなく、体質や目的に応じて使い分けるものです。

低用量ピルの種類一覧テーブル…全14種を世代×相性で比較

ここが本記事の心臓部です。国内で処方されている低用量ピル・超低用量ピルをすべてまとめました。「結局、何種類あって、何がどう違うのか」がひと目でわかるテーブルです。

世代 薬剤名 相性 黄体ホルモン EE量 OC/LEP GE 特徴
第1世代シンフェーズ3相性ノルエチステロン(NET)35μgOC日曜開始(サンデースタート)
ルナベルLD1相性35μgLEP月経困難症治療。出血量軽減に強み
ルナベルULD1相性20μgLEP超低用量。副作用を抑えつつ治療
フリウェルLD/ULD1相性35μg/20μgLEPGEルナベルのジェネリック。費用を抑えたい方に
第2世代トリキュラー3相性レボノルゲストレル(LNG)30〜40μgOC国内で最も普及。不正出血が少ない
アンジュ3相性30〜40μgOCトリキュラーとほぼ同成分
ラベルフィーユ3相性30〜40μgOCGEトリキュラーのジェネリック
第3世代マーベロン1相性デソゲストレル(DSG)30μgOCニキビ・肌荒れ改善に定評。飲み順自由
ファボワール1相性30μgOCGEマーベロンのジェネリック
第4世代ヤーズ1相性ドロスピレノン(DRSP)20μgLEPむくみにくい。PMS改善にも期待
ヤーズフレックス1相性20μgLEP最長120日連続服用で月経回数を減らせる
ドロエチ1相性20μgLEPGEヤーズのジェネリック
ジェミーナ1相性20μgLEP77日連続投与可。子宮内膜症にも適応
アリッサ(新薬)1相性E4 15mg
※EEではなくエステトロール
LEP国内初の天然型エストロゲン含有。血栓リスク低減に期待

GE=ジェネリック医薬品。先発品と有効成分・含有量・効果は同一。EE=エチニルエストラジオール、E4=エステトロール。OC=経口避妊薬(自費)、LEP=低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(保険適用あり)。
参考:日本産科婦人科学会/日本女性医学学会「OC・LEPガイドライン 2020年度版

「種類が多い」と言われるピルも、世代と相性で整理すると構造はシンプルです。ここからは各世代の違い、相性の違い、OC/LEPの違いを順番に深掘りしていきます。

第1世代〜第4世代の違い…黄体ホルモンで何が変わる?

低用量ピルに含まれるエストロゲン(EE)はどの世代でも基本的に同じ成分です。違いを生み出しているのは黄体ホルモン(プロゲスチン)の種類で、開発された順に第1〜第4世代と分類されます。

世代間の最も大きな違いは「アンドロゲン作用(男性ホルモン様の作用)の強さ」です。アンドロゲン作用が強いと、ニキビ・体毛の増加・食欲増進といった症状が出やすくなります。世代が新しくなるほどアンドロゲン作用は弱くなる傾向があり、NET(第1世代)→ LNG(第2世代)→ DSG(第3世代)→ DRSP(第4世代)の順に弱まっていきます。

参考:日本産科婦人科学会/日本女性医学学会「OC・LEPガイドライン 2020年度版」

ただし「新しい世代ほど優れている」とは限りません。世代ごとに得意分野が異なるため、自分の目的や体質に合ったものを選ぶことが重要です。

第1世代(ノルエチステロン/NET)…生理痛・出血量対策に強い

日本で最も歴史の長い低用量ピルで、代表薬はルナベルLD/ULD、フリウェルLD/ULD、シンフェーズです。月経困難症の治療に関するエビデンスが豊富で、特に経血量を減らす効果に優れています。保険適用のLEP製剤(ルナベル・フリウェル)が揃っているため、月経困難症や子宮内膜症の治療目的で処方されることが多い世代です。

注意点としては、不正出血がやや起きやすい傾向があること。服用初期は少量の出血が続く場合がありますが、2〜3シート継続するうちに安定してくることが多いとされています。

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第2世代(レボノルゲストレル/LNG)…不正出血が少なく安定

代表薬はトリキュラー、アンジュ、ラベルフィーユ。いずれも3相性ピルで、ホルモン量が3段階に変化することで自然な月経周期に近づけている設計です。国内で最も広く普及しており、不正出血が出にくいという特長があります。初めてピルを飲む方に処方されることが多い世代です。

一方で、4つの世代の中ではアンドロゲン作用がやや強めです。そのため、ニキビやPMSの改善を第一目的とする方には、第3世代や第4世代のほうが適している場合があります。

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第3世代(デソゲストレル/DSG)…ニキビ・肌荒れ対策の定番

代表薬はマーベロン、ファボワール。いずれも1相性ピルで、シート中の全錠が同じホルモン量です。デソゲストレルはアンドロゲン作用が弱いため、ニキビ・肌荒れ・多毛の改善が期待できます。「美容面での悩みをきっかけに低用量ピルを始めたい」という方に選ばれることが多い世代です。

注意点として、第3世代は国内にLEP製剤がありません。つまり保険適用の選択肢がなく、すべて自費(OC)での処方になります。費用を抑えたい場合はジェネリックのファボワールを選ぶとよいでしょう。

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第4世代(ドロスピレノン/DRSP)…むくみにくく、PMS改善にも

代表薬はヤーズ、ヤーズフレックス、ドロエチ、ジェミーナ、そして2024年に承認された新薬アリッサです。ドロスピレノンは抗アンドロゲン作用が最も強い黄体ホルモンで、さらに軽い利尿作用(抗ミネラルコルチコイド作用)を持つため、むくみにくいという特長があります。PMSの改善効果にも期待が持てる世代です。

ヤーズフレックスは最長120日間の連続服用が認められており、年間の月経回数を大幅に減らすことが可能です。ジェミーナも77日間の連続投与に対応しています。「生理の回数自体を減らしたい」という方にはこの世代が有力な選択肢になります。

注意点は、ドロスピレノンのアルドステロン拮抗作用により血中カリウム値が上昇する可能性があること。腎機能に問題がある方やカリウム保持性利尿薬を服用中の方は、処方前に医師との相談が必要です。

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読者の声:「新しい世代ほど良い薬ってこと?」

そうとは限りません。たとえば第2世代のトリキュラーは不正出血が少ないという明確な強みがあり、今でも国内で最も処方数が多いピルの一つです。また、第1世代のルナベルは経血量を減らす効果に優れ、月経困難症の治療薬として確固たる地位を築いています。世代の「新しさ」よりも「自分の悩みに合っているか」で選ぶことが大切です。

1相性と3相性の違い…ホルモン配合パターンで選ぶ基準

低用量ピルは「世代」だけでなく、1シート内のホルモン配合パターンによっても分類されます。1相性(いっそうせい)と3相性(さんそうせい)の2つがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

1相性ピルの特徴

1シート中のすべての実薬錠に、同じ量のホルモンが含まれています。代表的なのはマーベロン、ファボワール、ヤーズ、ヤーズフレックス、ルナベルなど。最大のメリットは「飲む順番を間違えても問題がない」こと。どの錠剤も同じホルモン量なので、万が一シートの途中で順番を飛ばしてしまっても効果に影響がありません。また、連続投与(フレキシブル投与)との相性がよく、ヤーズフレックスのように長期連続服用が認められている薬剤は1相性です。生理日の移動もしやすいという利点があります。

3相性ピルの特徴

1シート中のホルモン量が3段階に変化します。代表的なのはトリキュラー、アンジュ、ラベルフィーユ、シンフェーズ。自然な月経周期のホルモン変動に近づけた設計のため、不正出血が起きにくいとされています。服用初期の出血が気になる方には3相性が向いている場合があります。ただし、錠剤の色(ホルモン量)が段階的に変わるため、飲む順番を間違えると避妊効果に影響が出る可能性があります。

1相性3相性
飲みやすさ順番を気にしなくてよい順番を守る必要あり
不正出血やや起きやすい傾向起きにくい傾向
生理日移動しやすいやや難しい
連続投与向いている向いていない
代表薬マーベロン、ヤーズ、ルナベル等トリキュラー、アンジュ等

どちらが「良い」というものではなく、生活スタイルや体質との相性で選ぶものです。飲み忘れが心配なら1相性の28錠タイプ、服用初期の不正出血を避けたいなら3相性、という判断基準が一つの目安になります。

OC(自費)とLEP(保険適用)の違い…費用と処方ルートを比較

低用量ピルを調べていると必ず出てくるのが「OC」と「LEP」という分類です。成分や効果は似ていますが、使用目的と費用負担が大きく異なります。

OC(経口避妊薬)とは

OCはOral Contraceptivesの略で、「避妊」を主目的として処方されるピルです。自由診療のため健康保険は適用されず、全額自己負担になります。代表的なOCはトリキュラー、アンジュ、マーベロン、ファボワール、ラベルフィーユなど。費用は1シートあたり2,000〜3,500円程度(クリニックにより異なる)で、これに診察料が加わります。

LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)とは

LEPはLow dose Estrogen Progestinの略で、「月経困難症」や「子宮内膜症」の治療を目的として処方されるピルです。医療保険が適用されるため、3割負担で処方を受けられます。代表的なLEPはルナベルLD/ULD、フリウェルLD/ULD、ヤーズ、ヤーズフレックス、ドロエチ、ジェミーナ、アリッサなど。3割負担の場合、1シートあたり数百円〜1,500円程度です。

参考:日本産科婦人科学会/日本女性医学学会「OC・LEPガイドライン 2020年度版」

「私はどっち?」の判断基準

生理痛がひどい、経血量が多い、子宮内膜症と診断されているなど「治療が必要な症状がある」場合は、LEPで保険適用を受けられる可能性が高いです。産婦人科を受診して医師に症状を伝えてください。一方、「避妊が主目的」「生理痛はあるが日常生活に支障をきたすほどではない」「PMS対策として飲みたい」という場合は、OC(自費)での処方になります。ただし、症状の程度によってはLEPが適用される場合もあるので、まずは医師に相談するのが確実です。

OC(自費)LEP(保険適用)
主な目的避妊・PMS改善・生理周期の安定月経困難症・子宮内膜症の治療
費用(1シート)2,000〜3,500円程度+診察料3割負担で数百円〜1,500円程度+診察料
処方に必要なもの医師の診察医師の診察+治療対象となる症状
代表薬トリキュラー、マーベロン等ルナベル、ヤーズ、ジェミーナ、アリッサ等

読者の声:「オンライン診療だとLEP(保険適用)は処方してもらえないの?」

LEPの処方は対面受診が基本です。保険適用を受けるには、月経困難症などの診断が必要であり、初回は内診やエコー検査が行われることもあるためです。ただし、すでに対面で診断・処方を受けた後の継続処方については、オンラインで対応してくれる医療機関も増えています。一方、OC(自費)についてはオンライン診療での処方に対応するサービスが多数あります。

なお、低用量ピルの飲み忘れなどで避妊に失敗してしまった場合は、アフターピル(緊急避妊薬)が必要です。

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目的・悩み別…あなたに合う低用量ピルの選び方

ここまでの知識を踏まえて、「自分にはどの低用量ピルが合いそうか」を悩み別に整理していきます。最終的な処方は医師の判断になりますが、あらかじめ知っておくことで診察時の相談がスムーズになります。

あなたの悩み・目的おすすめ世代候補の薬剤保険適用
避妊が第一目的第2世代 or 第3世代トリキュラー、マーベロン等なし(OC)
生理痛がひどい・経血量が多い第1世代 or 第4世代ルナベルLD/ULD、ヤーズ、ドロエチ、アリッサあり(LEP)
ニキビ・肌荒れを改善したい第3世代 or 第4世代マーベロン、ファボワール、ヤーズ等第3世代はなし(OC)/第4世代はあり(LEP)
PMS(月経前症候群)がつらい第4世代ヤーズ、ヤーズフレックス、ドロエチあり(LEP)
不正出血をできるだけ避けたい第2世代(3相性)トリキュラー、アンジュ、ラベルフィーユなし(OC)
生理の回数自体を減らしたい第4世代ヤーズフレックス、ジェミーナあり(LEP)
血栓症リスクが心配スリンダ(ミニピル)、アリッサスリンダ:なし(OC)/アリッサ:あり(LEP)
費用をできるだけ抑えたい各世代のGEラベルフィーユ、ファボワール、フリウェル、ドロエチフリウェル・ドロエチはLEP

上のテーブルはあくまで一般的な目安です。実際の処方では、年齢、喫煙歴、BMI、既往歴、家族歴、現在服用中の薬なども考慮されます。「ネットで調べた情報をもとに、こういう理由でこの薬に興味がある」と医師に伝えるだけで、診察の質は大きく変わります。

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2026年最新…注目の新薬(アリッサ・スリンダ)と今後の動向

2024〜2025年にかけて、日本のピル市場に2つの大きな新薬が登場しました。いずれも従来の低用量ピルにはなかった特徴を持っており、処方の選択肢が広がっています。

アリッサ配合錠…国内初の天然型エストロゲン(エステトロール)含有ピル

2024年9月に承認され、同年12月から処方が開始された月経困難症治療薬(LEP)です。従来のピルがすべてエチニルエストラジオール(EE)を卵胞ホルモンとして使っていたのに対し、アリッサは体内に存在する天然型エストロゲンの一種であるエステトロール(E4)を日本で初めて採用しました。黄体ホルモンはヤーズやドロエチと同じドロスピレノン(DRSP)です。

エステトロールは肝臓や血管内皮細胞への影響がEEに比べて穏やかとされており、血栓症リスクの低減が期待されています。ただし、添付文書上の禁忌・慎重投与の扱いは従来のLEPと同じであり、「今までピルが使えなかった方が使えるようになる」というものではない点は注意が必要です。3割負担での月額は約1,500円程度で、比較的安価な薬価設定です。2025年12月に処方期間の制限が解除され、3シートまとめての処方が可能になりました。

参考:富士製薬工業「アリッサ配合錠 医療関係者向けサイト

スリンダ錠28…日本初のミニピル(プロゲスチン単剤経口避妊薬)

2025年5月19日に承認、同年6月30日に発売。あすか製薬が製造販売する日本初の国内承認ミニピルです。ドロスピレノン4mgのみを含有し、エストロゲンを一切含みません。世界62か国以上で承認実績があり、海外では広く使われている避妊法です。

最大の特徴は、エストロゲンに起因する血栓症リスクがないこと。これにより、40歳以上の方、喫煙者、高血圧のある方、前兆を伴う片頭痛のある方、授乳中の方など、従来の低用量ピルの処方が難しかった方にも選択肢が生まれました。臨床試験での避妊成功率は約99.6%(パール指数0.39)と報告されており、低用量ピルと同等の高い避妊効果があるとされています。

注意点として、服用開始初期に不正出血が起きやすいこと(臨床試験では約90%が経験)、毎日同じ時刻に服用する必要があること(3時間以上のずれで避妊効果が低下)、保険適用外(自費)であることが挙げられます。費用は医療機関によって異なりますが、1シートあたり3,000〜4,000円程度が目安です。

参考:KEGG医薬品情報「スリンダ錠28 添付文書情報

読者の声:「アリッサやスリンダはどこで処方してもらえるの?」

どちらも産婦人科での対面処方が基本です。新しい薬のため、すべてのクリニックで取り扱っているわけではありません。事前に電話やWebサイトで取り扱いの有無を確認してから受診するのが確実です。

ピルの副作用を世代別に比較…知っておくべきリスクと対処法

低用量ピルの副作用について正しく理解しておくことは、安心して服用を続けるために不可欠です。ここでは全世代に共通する副作用と、世代ごとの傾向を整理します。

服用初期に起こりやすい副作用(マイナートラブル)

吐き気、頭痛、不正出血、乳房の張り、倦怠感などが服用初期(1〜3シート目)に起こることがあります。これらはホルモン環境の変化に体が順応する過程で生じるもので、ほとんどの場合2〜3か月以内に軽減・消失します。日本産科婦人科学会のガイドラインでも、これらの症状のみを理由にピルを中止する必要はないとされています。

世代別の副作用傾向

副作用の傾向第1世代第2世代第3世代第4世代
吐き気やや出やすい(EE35μg)出やすい(EE30〜40μg)中程度出にくい(超低用量が多い)
不正出血やや多い少ない中程度中程度
ニキビ悪化まれやや出やすい起きにくい起きにくい
むくみ中程度中程度中程度起きにくい(利尿作用あり)

上記はあくまで傾向であり、副作用の出方には個人差があります。「数シート試して合わなければ種類を変える」というアプローチは、ガイドラインでも推奨されている方法です。

血栓症のリスクと予防

低用量ピルの最も重要な副作用は静脈血栓塞栓症(VTE)です。日本産科婦人科学会の見解によれば、ピルを服用していない女性のVTE発症率は年間1万人あたり1〜5人であるのに対し、ピル服用中は3〜9人と報告されています。ただし、この数字は妊娠中のVTE発症率(年間1万人あたり5〜20人)と比較するとかなり低い水準です。

参考:日本産科婦人科学会「OC・LEPの副作用としての血栓症に関する見解

血栓症リスクが高くなる因子として、喫煙(特に35歳以上で1日15本以上)、BMI 30以上の肥満、高血圧、前兆を伴う片頭痛、長時間の不動状態(長距離移動等)、血栓症の家族歴などが挙げられます。これらに該当する場合は、処方前に必ず医師に申告してください。

日常の予防策としては、十分な水分摂取、長時間同じ姿勢を避ける、定期的な足の運動などが有効です。下肢の急激な痛み・腫れ、突然の息切れ、激しい頭痛、視野の異常などが出た場合は、ピルの服用を中止してすぐに医療機関を受診してください。

読者の声:「ピルを飲むと太るって聞いたけど本当?」

「ピル=太る」というイメージは根強いですが、大規模な臨床試験において低用量ピルの服用と体重増加の間に有意な関連は認められていません。「太った」と感じる原因の多くは、黄体ホルモンのアンドロゲン作用による食欲増進や、エストロゲンによる一時的なむくみです。むくみが気になる場合は、利尿作用のあるドロスピレノン含有ピル(第4世代)への変更で改善することがあります。

よくある質問

Q. 低用量ピルは何歳から飲めますか?

初経を迎えていれば年齢による下限はありません。10代から服用している方も多く、月経困難症の治療として中学生・高校生に処方されるケースもあります。ただし、処方にあたっては医師の診察が必要です。

Q. ピルを飲み始めてから避妊効果が出るまでどのくらいかかりますか?

月経開始日から飲み始めた場合、その日から避妊効果が期待できます。月経開始日以外から飲み始めた場合は、7日間連続して服用するまでは他の避妊法(コンドーム等)を併用してください。

Q. 低用量ピルをやめたらすぐ妊娠できますか?

服用を中止すれば、多くの場合1〜3か月以内に排卵が再開します。ピルの長期服用が将来の妊娠率を下げるというエビデンスはありません。

Q. 低用量ピルとアフターピルは併用できますか?

低用量ピルの飲み忘れ等で避妊効果が低下した場合に、緊急措置としてアフターピルを服用することは可能です。その場合、アフターピル服用後は低用量ピルの服用を再開し、次の7日間は他の避妊法を併用してください。詳しくは処方元の医師に確認してください。

Q. ジェネリックと先発品で効果に違いはありますか?

ジェネリック医薬品は先発品と有効成分・含有量・効果が同一であることが厚生労働省の審査で確認されています。ファボワール(マーベロンのGE)、ラベルフィーユ(トリキュラーのGE)、フリウェル(ルナベルのGE)、ドロエチ(ヤーズのGE)など、いずれも先発品と同等の効果が期待できます。費用を抑えたい方にはジェネリックがおすすめです。

Q. オンライン診療で低用量ピルは処方してもらえますか?

OC(自費のピル)であれば、多くのオンライン診療サービスで処方を受けることができます。初診からオンラインで完結するサービスも増えています。一方、LEP(保険適用のピル)は初回の対面受診が基本ですが、継続処方についてはオンラインで対応する医療機関もあります。

まとめ…ピルの種類は「世代×相性×OC/LEP」で整理できる

低用量ピルの種類は一見複雑に見えますが、「世代(黄体ホルモンの種類)」「相性(ホルモン配合パターン)」「OC/LEP(処方区分)」の3軸で整理すればシンプルです。この記事のポイントを振り返ります。

  • 国内承認の低用量ピル・超低用量ピルは約14種類。第1〜第4世代に分かれ、世代ごとに得意分野が異なる
  • 世代の違いは「黄体ホルモン」の違い。新しい世代ほどアンドロゲン作用が弱く、ニキビ・むくみが出にくい傾向がある
  • 1相性は飲み順自由で連続投与に向く。3相性は不正出血が出にくい。どちらが優れているという話ではない
  • OC(自費)は避妊目的、LEP(保険適用)は月経困難症等の治療目的。同じ成分でも処方目的で区分が変わる
  • 2024〜2025年に新薬が2つ登場。アリッサ(天然型エストロゲン含有LEP)とスリンダ(国内初のミニピル)で選択肢が拡大
  • 最終的な処方は医師の判断。この記事の情報を「診察時の相談材料」として活用してほしい

低用量ピルは日常的な避妊・治療のための薬です。一方、「避妊に失敗した」「コンドームが破れた」など、今すぐ緊急避妊が必要な場合はアフターピルが必要です。ソクピルは24時間対応のアフターピル専門オンライン診療で、診察3分、最短翌日届きます。

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